牛乳問題
という趣旨の質問をいただきました。
この問題はなかなか難しい問題であり、分量が少し多くなったので、記事にすることにしました。
優秀な健康効果
まず牛乳は栄養価としては高たんぱく質でカルシウムやリンなどのミネラルやビタミンB2・B12も豊富に入っており健康食品のように見えます。
カロリーは100g当たりで67kcalでそこそこありますが、僕のダイエット理論ではカロリーは気にしないため、この点でも問題はないですね。
炭水化物・糖質については、4.8gと少ない。
以下に主要な栄養素を表にしました(参考)。
牛乳100g当たりの含有量 |
対1日の摂取目標割合
|
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カロリー | 67kcal | |
タンパク質 | 3.3g | |
炭水化物・糖質 | 4.8g | |
ビタミンB2 | 0.15mg | 13% |
ビタミンB12 | 0.3μg | 13% |
パントテン酸 | 0.55mg | 11% |
カルシウム | 110mg | 11% |
リン | 93mg | 13% |
そして、腸内環境についての影響としては、乳脂肪の効果で改善してくれます。
なので、牛乳の健康効果を狙うなら、本物の牛乳である成分無調整牛乳を選びましょう。
間違っても、低脂肪や無脂肪を飲んではいけません。しっかり見るとパッケージに書いてあるので。
牛乳については他の乳製品を加えた加工乳や乳製品以外を加えている乳飲料などと定義されるものもあり、これらを飲んでいるかもしれないので注意してください。
ドン・キホーテ商品で話題になったのもありますよね。これは乳飲料です。安いものは注意。
ドンキで70円くらいの低脂肪牛乳買って飲んだら薄すぎてほぼ水で笑ったし、よく見たらパッケージに牛乳なんて一言も書いてなかった。なんだこれは。 pic.twitter.com/o8yRUO92FX
— 青にゃんこ (@kannan_shinku) 2018年7月24日
長年あった害悪説
牛乳については、根強く健康に悪いという説が唱えられてきました。
その始まりは新谷弘実の「病気にならない生き方」と言われています。
これは牛乳を飲むと骨粗鬆症になるなど、基本的に科学的には根拠のない主張であり、乳糖不耐症という点を誇張したに過ぎないです。
乳糖が大丈夫な人もいるし、乳糖不耐症でも栄養素は吸収できます。
乳糖不耐症について
日本人は乳糖不耐症の人が多いと言われている。割合としては50~90%と調査によってバラバラではあるが(参考)、多いことは間違いないでしょう。
牛乳を飲んでお腹がゴロゴロするという人は、牛乳を避けておくに越したことはないですね。乳糖が少ないチーズやヨーグルトなどで代用するのも良いでしょう。
プロテインについても、ホエイプロテインは乳糖が入っているので乳糖不耐症の人は、乳糖が除去されているアイソレートタイプ(WPI)のプロテインを飲みましょう。
新たな問題
そうすると「問題なのは乳糖のみで、乳糖が平気なら牛乳はやっぱり健康食品なんだ」となりそうなのですが、そうもいかない問題があります。
それが発がん性です。
大腸がんのリスクを下げるという報告がある一方で、前立腺がん、精巣がん、卵巣がんなどのリスクは高まることがわかっています(参考1、参考2)。
前立腺がんについてはカルシウム(参考論文)、卵巣がんについては乳糖の影響(参考論文)なのではと考えられているようです。
乳がんについてはエストロゲンという女性ホルモンによる影響で、リスクを上げるとする説もありますが、関係ないとする説もあります。
前立腺がんのリスク上昇は大きく、男性は特に気をつけたほうがいいと思われます。
結論
というわけで、牛乳は栄養価が高く健康効果もあるが、発がんとの関係があり、難しい食べ物です。
僕はこのような両面性がある食品はリスク食品と呼び、
- 好きじゃないのなら避ける。
- 好きなら量を制限する。1日500ml以下推奨。
というのが良いと思っています。
個人的な対処方法としては、お店などで出てきたら食べるけど、自主的に買ったりすることは少ないといった感じです。
また、前立腺がんはカルシウムが原因のようなので、牛乳以外にもチーズやヨーグルトなどを摂取する場合は、もう少し量を減らしたほうが良いとは思います。
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